天山風情のキモ [二胡]
《今回の記事は、新春お年玉クイズの商品となります》
まず。
「天山風情のキモ」を語るにあたり、前提として以下の事柄を踏まえて
いただきたいのです。
・ホッチキスが初めて「天山風情」を習ったのは5年前
・通常、お師匠はレッスン曲を繰り返し何度も教えることはなさらず、
基本的には「一回で終了」(私は「三門峡」も「豫北」もレッスン一回きりだった)
なのだが、天山は4回連続で指導を受けた
・つまり、ホッチキスはそれだけこの「天山風情」という曲が弾けていなかった
・しかも、4回目のレッスンの時、「もうやめましょう」と師匠から
一方的に打ちきりを宣言された
・つまり、何度教えても現時点ではムリ…と判断されていた
・ちなみに、師匠は「天山風情をヒトに教えるのは初めて。てか、自分が弾くのも
実は初めて。ついでに覚えようかと思って」とおっしゃり、一度も弾いたことがない
状態でヒトに指導しよう…というダイナミックな人間性を垣間見せておられた。
・使用した楽譜は宋飛監修の数字譜
・しかし、各奏者の音源を聴くと、弾き方はばらつきがあり、必ずしも楽譜通りには
弾いていない
・ホッチキスは普段、レッスンの予習は楽譜主体で自力で音を取って弾く。…だが、
天山風情に関しては楽譜だけだとよく分からない箇所がたくさんあったので、
音源主体で練習していた。いわゆる「耳コピー」の状態。
・ホッチキスの耳がおかしかったのか、音源がそもそもオリジナルからずれて
いたのか、はたまた楽譜の方にミスがあったのか(←中国の楽譜にはありがち)
未だによく分からないが、とにかく5年前は「どう弾いていいのか、何が正しい
のか」迷う箇所がたくさんあった
・そのせいもあり、腕がついていかないせいもあり、まともに弾ける箇所が
ほとんどなく「この曲、何度も聴いているんでしょ?(=なのに、その程度の
理解度か!? 貴様の耳は飾りか!? もう耳の代わりに餃子でも
つけとけYO!:ホッチキス意訳)」…と、普段優しいお師匠を怒らせた
・・・・ここまでが、前提となります(なげーよ)。
そこで、一つ目の「キモ」なのですが。
《天山風情のキモ(=天キモ)・その壱》
☆楽譜を固定する。音源も、一番気に入ったもの一つに固定する。迷った時は
「どちらが正しいか」ではなく、「どちらが好きか、どちらがイケてるか」で
決め、迷いを捨てて驀進する
さて。そんな感じで、5年前の苦い思い出を引きずりつつ練習を再開したところ。
なぜか分かりませんが、結構弾けるようになっていたんですね。特に前半。
「一体なぜあんなに分からなかったんだろう」と、疑問にすら思いました。
5年の月日が、ホッチキスを大人のニコラーにしたってことでしょうか。
《天キモ・その弐》
☆一生懸命練習しても弾けない時は、5年ぐらい寝かせておく
さて。練習にも俄然リキが入って参りました。
7/8拍子も快調♪♪
思えば、全然弾けなかった5年前も、一ヶ所だけ師匠が褒めて下さったのが
「7/8拍子」のパートでした。
「拍の取り方がものすごく上手い」と褒めて下さったのですが、これには
ワケがあります。
ホッチキスは、このパートだけは楽譜を見ずに弾いていました。
ピアノ伴奏まで含めて、音源完全耳コピーだったのです。
なので、実際は自分で拍を取って弾いていたのではなく、「聴こえた通りに
弾いていた」だけに過ぎません。
拍の取り方がものすごく上手いのはホッチキスではなく、メイン音源としていた
許可さんだったワケです。
《天キモ・その参》
☆7/8拍子が取れない人は、音源を完全に耳コピーする。
恐らく、下手に楽譜見るよりそっちの方が分かりやすい
☆「イヤだ!ちゃんと自分で数えて弾きたいんだ!」という独立独歩なアナタは、
「3+4」でカウントしてください。「タタタ・タタタタ」です。
「7/8拍子も、今は楽譜を見て理解しながら弾けるようになった…。その次の
F調もまあ何とかなるし、B♭もぼちぼちだし、C調だけなら人前で弾いても
笑われない程度には弾けるだろう…。E♭になると絶対に人前には出せないが、
一応止まらないで弾けるし(ドヤ!)」
そんな状況で迎えた、B♭の撥奏(動画の'6.05〜)。
5年前に一度教わっているはずなのに、イマイチ弾き方が思い出せないのは
どういうワケでしょうか。
(左手指を伸ばしてハジきます。お師匠は小指も使って弾いておられましたが、
于紅梅の動画では小指は入れず「1113211」という順番でハジいている
ように見えます…が、超絶速いんでよく分かりません)
そして、撥奏以降の後半は相変わらず音が取りにくく…というか、
取りにくい音は厳密に言うと数ヶ所だけなんですが、一ヶ所でもズレると
その後が全部ズレるわけです。
普段ホッチキスは、何か弾く時に自分の音を基準にして次の音を決める
ということはしません。
アタマの中で「この音だ」という理想の音程があって、その音に合わせて
弾いていくイメージなんですが。
天山風情の後半数ヶ所に関しては、やはり「この音だ」ってのがあやふや
なんでしょうね。
だから、自分が出した音を基準にして次の音を取っていくしかありません。
その結果、調が変わった時に
「待て! ズレている!!」
…と気づくワケなんですが。
どんな曲でもそうでしょうが、結局「分かってないと弾けない」ってことです。
《天キモ・その四》
☆ちゃんと理解した上で練習する。わかんない時はテクノロジーを駆使して
音源のテンポを落として何度も聴く(もちろん、音程は変えずにテンポだけ
落とす)。優しい先生に師事している方は、先生に頼んでゆっくり弾いて
いただき、録音すること
ちなみに、ホッチキスは今ひとつ取り切れなかった箇所をお師匠に
ゆーーっくり演奏していただき、その部分は何とかなりましたが。
さすがに「後半全部ゆっくり弾いてくれ」と言ったずうずうしいお願いは
子羊ホッチキスには到底無理な話で。
しかし、ここだけの話。
このレベルの曲になると、プロでも「パッと楽譜見て、いきなりサッと完璧に
弾く」というのはやはり難しく。
先日のレッスンにおいても、お師匠は
「・・・・・・後半の細かいところ、忘れた」
…と、音を取るのに少し時間がかかっておられました。
で、「こういう音ですよ。ホッチキス、この部分で音がずれやすいから
気をつけて」という注意を受け、やっと全体像が見えてきた感じです。
そんなんで、ホッチキスはこの曲「やっと何とか後半の音が取れて、
止まらないで弾ける目処が立ってきた」という、
「今、スタートラインに立てた」状態なワケなので。
本当は「天山のキモ」とか言える立場じゃないのですが。
せっかくなので、表現上のキモも一つ入れておきましょう。
《天キモ・その伍》
☆このレヴェルの曲の表現は、他者に求めてはいけない。
貴方には貴方の天山風情があり、ワタクシにはワタクシの天山があります
☆この曲が好きだ、と思った貴方。
表現や個性は「好きだ」という気持ちがあれば必ず生まれるのだと、
ホッチキスはかつて教えを受けたことがあります。
「どうやって表現しようか」とか考えるまでもなく、好きなら「自然に」
出てくるものだと。
ホッチキスは、やっとこさ後半の音が取れたというショボイ段階で、
当然ながら師匠にも何一つ褒められた箇所はないのですが。
レッスン終わった時、「ホッチキスはこの曲好きですよね」…と言われました。
そういう気持ちが聴いている人に伝わったんだあれば、良かったなって。
またこの曲は頑張って弾いて参ります。
5年前のホッチキスのメイン音源でした。
このCDは、他の曲も全部素敵でございます。おすすめ。
まず。
「天山風情のキモ」を語るにあたり、前提として以下の事柄を踏まえて
いただきたいのです。
・ホッチキスが初めて「天山風情」を習ったのは5年前
・通常、お師匠はレッスン曲を繰り返し何度も教えることはなさらず、
基本的には「一回で終了」(私は「三門峡」も「豫北」もレッスン一回きりだった)
なのだが、天山は4回連続で指導を受けた
・つまり、ホッチキスはそれだけこの「天山風情」という曲が弾けていなかった
・しかも、4回目のレッスンの時、「もうやめましょう」と師匠から
一方的に打ちきりを宣言された
・つまり、何度教えても現時点ではムリ…と判断されていた
・ちなみに、師匠は「天山風情をヒトに教えるのは初めて。てか、自分が弾くのも
実は初めて。ついでに覚えようかと思って」とおっしゃり、一度も弾いたことがない
状態でヒトに指導しよう…というダイナミックな人間性を垣間見せておられた。
・使用した楽譜は宋飛監修の数字譜
・しかし、各奏者の音源を聴くと、弾き方はばらつきがあり、必ずしも楽譜通りには
弾いていない
・ホッチキスは普段、レッスンの予習は楽譜主体で自力で音を取って弾く。…だが、
天山風情に関しては楽譜だけだとよく分からない箇所がたくさんあったので、
音源主体で練習していた。いわゆる「耳コピー」の状態。
・ホッチキスの耳がおかしかったのか、音源がそもそもオリジナルからずれて
いたのか、はたまた楽譜の方にミスがあったのか(←中国の楽譜にはありがち)
未だによく分からないが、とにかく5年前は「どう弾いていいのか、何が正しい
のか」迷う箇所がたくさんあった
・そのせいもあり、腕がついていかないせいもあり、まともに弾ける箇所が
ほとんどなく「この曲、何度も聴いているんでしょ?(=なのに、その程度の
理解度か!? 貴様の耳は飾りか!? もう耳の代わりに餃子でも
つけとけYO!:ホッチキス意訳)」…と、普段優しいお師匠を怒らせた
・・・・ここまでが、前提となります(なげーよ)。
そこで、一つ目の「キモ」なのですが。
《天山風情のキモ(=天キモ)・その壱》
☆楽譜を固定する。音源も、一番気に入ったもの一つに固定する。迷った時は
「どちらが正しいか」ではなく、「どちらが好きか、どちらがイケてるか」で
決め、迷いを捨てて驀進する
さて。そんな感じで、5年前の苦い思い出を引きずりつつ練習を再開したところ。
なぜか分かりませんが、結構弾けるようになっていたんですね。特に前半。
「一体なぜあんなに分からなかったんだろう」と、疑問にすら思いました。
5年の月日が、ホッチキスを大人のニコラーにしたってことでしょうか。
《天キモ・その弐》
☆一生懸命練習しても弾けない時は、5年ぐらい寝かせておく
さて。練習にも俄然リキが入って参りました。
7/8拍子も快調♪♪
思えば、全然弾けなかった5年前も、一ヶ所だけ師匠が褒めて下さったのが
「7/8拍子」のパートでした。
「拍の取り方がものすごく上手い」と褒めて下さったのですが、これには
ワケがあります。
ホッチキスは、このパートだけは楽譜を見ずに弾いていました。
ピアノ伴奏まで含めて、音源完全耳コピーだったのです。
なので、実際は自分で拍を取って弾いていたのではなく、「聴こえた通りに
弾いていた」だけに過ぎません。
拍の取り方がものすごく上手いのはホッチキスではなく、メイン音源としていた
許可さんだったワケです。
《天キモ・その参》
☆7/8拍子が取れない人は、音源を完全に耳コピーする。
恐らく、下手に楽譜見るよりそっちの方が分かりやすい
☆「イヤだ!ちゃんと自分で数えて弾きたいんだ!」という独立独歩なアナタは、
「3+4」でカウントしてください。「タタタ・タタタタ」です。
「7/8拍子も、今は楽譜を見て理解しながら弾けるようになった…。その次の
F調もまあ何とかなるし、B♭もぼちぼちだし、C調だけなら人前で弾いても
笑われない程度には弾けるだろう…。E♭になると絶対に人前には出せないが、
一応止まらないで弾けるし(ドヤ!)」
そんな状況で迎えた、B♭の撥奏(動画の'6.05〜)。
5年前に一度教わっているはずなのに、イマイチ弾き方が思い出せないのは
どういうワケでしょうか。
(左手指を伸ばしてハジきます。お師匠は小指も使って弾いておられましたが、
于紅梅の動画では小指は入れず「1113211」という順番でハジいている
ように見えます…が、超絶速いんでよく分かりません)
そして、撥奏以降の後半は相変わらず音が取りにくく…というか、
取りにくい音は厳密に言うと数ヶ所だけなんですが、一ヶ所でもズレると
その後が全部ズレるわけです。
普段ホッチキスは、何か弾く時に自分の音を基準にして次の音を決める
ということはしません。
アタマの中で「この音だ」という理想の音程があって、その音に合わせて
弾いていくイメージなんですが。
天山風情の後半数ヶ所に関しては、やはり「この音だ」ってのがあやふや
なんでしょうね。
だから、自分が出した音を基準にして次の音を取っていくしかありません。
その結果、調が変わった時に
「待て! ズレている!!」
…と気づくワケなんですが。
どんな曲でもそうでしょうが、結局「分かってないと弾けない」ってことです。
《天キモ・その四》
☆ちゃんと理解した上で練習する。わかんない時はテクノロジーを駆使して
音源のテンポを落として何度も聴く(もちろん、音程は変えずにテンポだけ
落とす)。優しい先生に師事している方は、先生に頼んでゆっくり弾いて
いただき、録音すること
ちなみに、ホッチキスは今ひとつ取り切れなかった箇所をお師匠に
ゆーーっくり演奏していただき、その部分は何とかなりましたが。
さすがに「後半全部ゆっくり弾いてくれ」と言ったずうずうしいお願いは
子羊ホッチキスには到底無理な話で。
しかし、ここだけの話。
このレベルの曲になると、プロでも「パッと楽譜見て、いきなりサッと完璧に
弾く」というのはやはり難しく。
先日のレッスンにおいても、お師匠は
「・・・・・・後半の細かいところ、忘れた」
…と、音を取るのに少し時間がかかっておられました。
で、「こういう音ですよ。ホッチキス、この部分で音がずれやすいから
気をつけて」という注意を受け、やっと全体像が見えてきた感じです。
そんなんで、ホッチキスはこの曲「やっと何とか後半の音が取れて、
止まらないで弾ける目処が立ってきた」という、
「今、スタートラインに立てた」状態なワケなので。
本当は「天山のキモ」とか言える立場じゃないのですが。
せっかくなので、表現上のキモも一つ入れておきましょう。
《天キモ・その伍》
☆このレヴェルの曲の表現は、他者に求めてはいけない。
貴方には貴方の天山風情があり、ワタクシにはワタクシの天山があります
☆この曲が好きだ、と思った貴方。
表現や個性は「好きだ」という気持ちがあれば必ず生まれるのだと、
ホッチキスはかつて教えを受けたことがあります。
「どうやって表現しようか」とか考えるまでもなく、好きなら「自然に」
出てくるものだと。
ホッチキスは、やっとこさ後半の音が取れたというショボイ段階で、
当然ながら師匠にも何一つ褒められた箇所はないのですが。
レッスン終わった時、「ホッチキスはこの曲好きですよね」…と言われました。
そういう気持ちが聴いている人に伝わったんだあれば、良かったなって。
またこの曲は頑張って弾いて参ります。
5年前のホッチキスのメイン音源でした。
このCDは、他の曲も全部素敵でございます。おすすめ。
タグ:二胡
こんばんはー。
お年玉クイズの豪華景品ありがとうございます。
涙でるほどおかしくも、的確なキモ、恐れ入ります。
弾けない曲は5年寝かせるって…w。
現代曲なので、二泉映月とか江河水みたいに絶対こう弾くべき、という型がないから、天山は本当に色々な形があっていいのではないか、と思っています。
明日は、お師匠さまのコンサートin 関西ですね。
by ももこ (2014-11-10 20:47)
♪ももこさん
早くも今年が終わりそうな頃に新春お年玉クイズの賞品・・ということで、もしかすると肝心のももこ様に読んでいただけてないかとドキドキしておりました。大変大変申し訳ありませんでした。こんなところでご勘弁くださいませ。
お師匠の関西コンサートも過ぎ、ホッチキスいまだにその余韻に浸っております。心温まるコンサートでございました。
また機会があればそちらのお話も聞いてくださいませ。
年内にはブログにアップしたいと思います(予定)
by ホッチキス (2014-11-16 16:16)